第2話
2012年01月14日
鷲宮・幸手ものがたり『さくらみや・めもり~ず』第2話-5
ひな兄「俺コレ扱いっすかw」
かぐら「それが…わからないのです。ひとのねがいをかなえるほどの…」
みそら「あ、ちょっと待って!」
かぐら「?」
みそら「このまま続けると読者が読みにくくて仕方ないわ。こっちで変換する」
かぐら「…??」
ひな「何を訳の分からない事を…」
ひな兄「コイツはこーいうヤツだよ」
みそら「…おっけー。続けて」
かぐら「は、はい。えっと…人の願いを叶えるほどの力をお持ちの方であればわたくしも認知しているはずなのですが、それらしき方がいらっしゃらないのです」
ひな兄「なんだってさ。お前らくらいの女の子っぽい声が聞こえた気がしたんだけど、どういうわけかはっきり思い出せねーんだ」
はるか「はぁ…」
ひな兄「記憶操作ってヤツ?よく知らねーけどさ。まぁ、なんつーか…」
なつき「?何?」
ひな兄「…いや、なんかすげー懐かしいってか、他人って感じの声じゃなかった。…ような」
ひな「はっきりしないわね」
ひな兄「しょーがねーだろ。なんかその辺だけ頭の中にモヤがかかってんだよ」
はるか「何らかの理由で正体を悟られたくないのかもしれませんね」
ひな兄「うーん…」
みそら「とりあえず正体不明ってことね。そこが分かってればかぐらちゃんを通じて話できるのかなと思ったけど、そういうわけにもいかないみたいね」
かぐら「はい…お力になれず申し訳ございません…」
みそら「あー、いいのいいの。気にしないでって。それより次なんだけど…」
つづく
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2011年12月20日
鷲宮・幸手ものがたり『さくらみや・めもり~ず』第2話-4
みそら「……へっ?今の間何!?説明は!!?」
なつき「もー、今度は起きてるフリして寝てたんですかー…?」
みそら「いやいやいや、明らかに誰かスキップボタン押したっしょこれ!」
はるか「…?何言ってるんですか?」
ひな兄「あー、コイツたまに意識が別の世界にすっとんでくことがあるからなぁ。まぁ気にするな」
みそら「ふ、不遇だ…」
ひな「…つまり、神社の神様の誰かがお兄ちゃんのお願いを叶えようとしたけど、力が足りなかったらしくこんな姿になって」
はるか「元に戻すにはこの辺りの土地の力を集める必要があって」
なつき「ぐぅちゃんはそのために実体化した神様のひとり…と」
かぐら「さようでございます。あらためまして…わたくし『催馬かぐら』ともうします。なまえのとおり、このわしのみやにつたわる『土師一流催馬楽神楽(はじいちりゅうさいばらかぐら)』をつかさどるものでございます(ぺこっ)」
はるか「神楽って神様に奉納するためのものだよね?その神様って…何か変な感じ(苦笑)」
かぐら「『やおよろず』とけいようされるように、あらゆるものにわたくしのようなそんざいはやどっておりますよ」
なつき「へ~。やっぱりそういうものなんだね」
みそら「……あ~、ようやく飲み込めてきた…」
ひな兄「おかえり」
みそら「ったく、いきなりファンタジー要素なんて入れてくるからいけないのよ、もう!」
ひな兄「…お前さ、意外と順応力ないよな」
みそら「アンタらがありすぎなんだっつーの!…はぁ。えーと…かぐらちゃん?」
かぐら「はい?」
みそら「いくつか聞きたいんだけど、いいかな?」
かぐら「あ、はい。どうぞ」
つづく
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2011年11月11日
鷲宮・幸手ものがたり『さくらみや・めもり~ず』第2話-3
かぐら「このかたがさきほどおっしゃっていまして」
???「……」
はるか「?なんですかこれ?…鯨っぽいですね」
みそら「かたっていうか、これはモノじゃ…」
???「はろー」
一同「!?」
みそら「こいつ…しゃべるぞ!!」
なつき「わー、かわいーっ!」
???「おー、はるかもいるのか。久しぶりだな、みんな」
はるか「え…?失礼ですけど私、鯨さんにお知り合いは…」
みそら「いや、誰だっていないっしょw」
なつき「あれ、この声どこかで…」
ひな「まさか………お兄ちゃんなの?」
ひな兄「ぴんぽーん。さすが妹は察しが早いなぁ」
なつき「えっ、おにいちゃん!?」
はるか「あ…鷲生先輩の…!」
みそら「ちょっとアンタ、今度は何やらかしたの…っつーかこれって…え?どゆこと?」
ひな兄「いやね、ぶっちゃけ俺自身も若干パニクってる部分もあるんだけどね」
かぐら「そちらにつきましては、わたくしがごせつめいいたします。…こほん」
つづく
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2011年10月26日
鷲宮・幸手ものがたり『さくらみや・めもり~ず』第2話-2
なつき「パチパチパチ…!う~ん、凄かったね~。みそらさ……」
みそら「……ぐごーっ……」
なつき「…へんじがない。ただのしかばねのようだ」
ひな「このだらしない格好にいびき、どこの酔っ払いよ…」
はるか「あ、さっきの子が出てきましたよ!」
みそら「うぇっ!?どこどこ!?」
ひな「………」
……
なつき「こんにちは。さっきおねーちゃんの神楽観てたけど、すごく上手だったよ~。わたし感動しちゃった!」
???「こんにちは(ペコッ)。おほめのことば、ありがとうございます。たいへんきょうしゅくでございます…」
みそら「!?」
はるか「わぁ、難しい言葉いっぱい知ってるんだね~。お姉ちゃんびっくりしちゃった。このお神楽もたくさん練習したの?」
???「はい。かみさまにほうのうするためのだいじなぎしきですので、けっしてそそうのないよう、ふだんのふるまいやれいせつからしっかりとれんしゅうしております」
みそら「!!?」
ひな「あなた、この子の爪の垢でも煎じて飲ませて貰ったらどう?」
なつき「なんだか余計に興味湧いてきちゃったな…。おねーちゃん、お名前は?」
かぐら「あ…もうしおくれましてたいへんもうしわけございませんでした。ぐぅ……(プルプル)、わたくし『催馬(さいば)かぐら』ともうします。いごおみしりおきのほど、よろしくおねがいいたします』
みそら「おおお……なんかじんましんできてきたんだけど…」
ひな「知らないわよ」
なつき「かぐらちゃん、だね。こちらこそどうぞよろしくお願いします。わたしはね…」
かぐら「…もしかして、さくらみや、なつきさんでいらっしゃいますでしょうか?」
なつき「…え?確かにそうだけど…前に会ったことあったかな?」
かぐら「いえ、ほんじつがはじめてでございます。…たいへんしつれいいたしました。しょうしょうおどろかれるかもしれませんが、じつは…」
なつき「……?」
つづく
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2011年10月19日
鷲宮・幸手ものがたり『さくらみや・めもり~ず』第2話-1
~改めて4月10日、鷲宮神社春季祭~
なつき「それにしても、ひなちゃんよく来たね。いつもはみんなと集まるような誘いって断るのに」
ひな「それは…」
みそら「愛しのお兄様が待ってるからでしょ。ひゅーひゅー」
バシッ
みそら「いったぁ!」←どつかれた
ひな「心配しちゃいけないの?あんなのでも一応は家族なんだから…」
なつき「…うん、そうだね」
みそら「…うん、そうだね」
ひな「……もう一度いきましょうか?」
みそら「ちょちょちょい!なんであたしだけ見んの!?」
……
なつき「それにしても何か人が多いような…あ、見て見て。神楽やってるよ!」
みそら「おお、やっぱり本物は見応えがあるわね。身が引き締まるというか」
ひな「…嘘おっしゃい」
みそら「うっさい!あたしだって真面目に感動する時くらいあるわよ!」
はるか「…あのツインテールの子、凄く上手じゃないですか?舞い慣れてるというか、素人目にもはっきり分かるくらい…」
なつき「…そうだね…。確かに、見てると何か悪いものがどんどん落ちていくような感じがするよ…」
???「……!」
はるか「あ、目が合っ…」
???「……(にこっ)」
なつき「ふああ~っ、かわいい~~っ!!」
みそら「あたしの目に狂いがなければ、アレは間違いなく100年に1人の逸材ね」
はるか「はぁ…」
みそら「将来は相当な美人になると見た…!ま、あたしには劣るけど」
ひな「……」
みそら「…何よその目は?」
ひな「別に…」
なつき「ねえねえ、終わったら話しかけてみようよ。わたしちょっと興味あるな」
みそら「そうね。少しくらいなら迷惑にはならないでしょ。アイツもまだ来てないみたいだし、せっかくだだからこのまま神楽観よっか」
はるか「はい!」
つづく
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